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印刷におけるレタッチ・色調補正とは?

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印刷におけるレタッチ・色調補正とは?

「レタッチ」や「色調補正」は、写真やイラストなどの画像に対して行われる重要な作業の1つです。 広告物や印刷物を作る時になんとなく耳にしたり使ったりしていても、文脈によって少しずつ意味が違って聞こえる……そんな経験はないでしょうか。

今回は、印刷におけるレタッチ・色調補正について整理しつつ、その重要性を解説していきたいと思います。



1.レタッチ・色調補正とは


レタッチとは、撮影した写真などの画像データに対して、目的に合わせて不要物の除去や色調補正や質感の調整、画像の合成を行う作業のことです。 色調補正は画像の明るさや鮮やかさ、色味のバランスなどを調整する作業のことを指し、広義ではレタッチに含まれています。

印刷においては上記のような調整作業を新聞・雑誌・ポスターといったそれぞれの媒体に最適な内容で施したり、インク量を調整したりすることが必要です。この点については、3.色調補正をすると印刷事故の防止に繋がる?の項目で後述します。

 

2.レタッチを行う目的


レタッチや色調補正を行う目的としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 商品の色や質感などを、イメージに近付ける
  • 人物の肌をよりキレイに見せたり、食べ物の新鮮さを強調したりする
  • 印刷事故の防止に繋がる


1つめと2つめに関しては、商品などをより魅力的に見せるために重要です。
例えば、「黒い服」を着たモデルが複数人映った広告があるとします。同じ色の服だからこそ、シルクのような艶のある質感なのか、レザーのようなマットな質感なのかを明確にすることで、実物がイメージしやすくなるでしょう。
あるいは、お酒の広告で食事風景を映している時、主役であるお酒の色味だけではなく周りの食べ物の色味にまで気を配ることで、広告全体を通して「おいしい」という印象を与えやすくなります。

多くの広告媒体では、触り心地や味などを体験してもらうことができない分、視覚情報が伝わりやすいようにビジュアルを整える必要があるのです。

では、3つめの「印刷事故の防止に繋がる」に関してはどうでしょうか。あまりピンとこない、という方もいらっしゃるかもしれません。 次の項目で、掘り下げてご説明します。
 

3.色調補正をすると印刷事故の防止に繋がる?


新聞・雑誌広告をはじめとする印刷物の多くは、C(青)M(赤)Y(黄)K(墨)の4色を使って表現されます。 それぞれ色ごとにインクの量が0~100%の間で設定できるため、数値上は最大400%載せられるのですが、実際には印刷媒体(印刷される側のアイテム)によって上限値が設けられています。
例を挙げると、新聞は240~250%以下(掲載紙によって異なります)、雑誌は320%以下が規定値です。

この「インクの総量」を「 TAC値(タック値)」といいます。

TAC値の上限を設定する目的は、インクの裏移りや擦過による汚れといった印刷事故を防ぐことです。 しかし使えるインクの量が減るということは、表現できる色が少なくなるということにも直結します。

例えば、機械的に「全体のインク総量を20%落とす」という処理をした時に、本来欲しかった色味より浅くなってしまったり、「TAC値が超えている部分だけ修正」したら最暗部のシマりが弱くなってしまったり…といったことが起きてしまい、全体の印象が弱くなってしまうことになるかもしれないのです。 そこで、TAC値が上限を超えないように数値を落としつつ、広告主の方やクリエイティブの方の意見、色見本などに最大限寄せていくための色調補正が必要となります。

こうした色調補正は、色校正紙の出力と併せて行われることも多いです。
ビジュアルの色味には印刷媒体そのものの色味が影響してくる上、モニターでの見え方と印刷したときの見え方ではどうしても違いが出てしまいます。そのため、色校正を行うことで修正後の見た目がイメージ通りになっているかを確認するのです。

色校正については、こちらの記事でも解説しているので、興味のある方は併せてご覧ください。 
色校正についての記事を読む

4.まとめ


本記事では、レタッチ・色調補正の意味を整理し、何を目的として行われるのかについて解説しました。 印刷におけるレタッチは、ビジュアルの美しさ・自然さだけではなく、印刷トラブルの防止にも関わってくる重要な作業です。


当社では、専任のスタッフが長年のノウハウと確かな技術で、お客様が持つ「表現したいイメージ」を最大限実現するレタッチ・色調補正を行っております。 モデル・タレントの方を起用した広告や、色味にこだわりたい印刷物を制作するタイミングなどで、ぜひ一度当社のレタッチサービスをご検討ください。

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